ドル/円はリスクオフの雰囲気が薄れ、円安ドル高がすすんでいます。2016年11月15日の安値、¥107.77を割り込んだことから¥106台を目指すのではと踏んでいたのですがあてが外れました。形としては、緑のラインで引いた9月2日に開けた窓を埋めにきています。NY市場が開いて30分ほどでのチャートです。
ドル転して米国に投資することはつまり”ドルを買う”ことになります。外国為替証拠金取引(FX)でいうところの”ロング”です。資産の多くをドルで持つ方向で進めているので、ふとした時に、「FXを使って、円を自分のドル転した平均より上で売って、平均より下げたところで買い戻す」ことを考えたりします。いわゆるヘッジするということです。
ただその場合も保有しているドルの全額に相当するほど、ヘッジするための資金はありませんので、ある程度レバレッジをかけることになります。例えば¥3,000,000相当のドルを保有しているとして、その全額に相当するヘッジのための金額は同様に¥3,000,000必要です。
レバレッジ
しかしヘッジのための資金が¥200,000しかなかったとします。この¥200,000で¥3,000,000分の金額をカバーするためにレバレッジをかけるのです。この場合は
¥3,000,000/¥200,000=15
つまり15倍のレバレッジをかければ、¥200,000で¥3,000,000相当のヘッジを実現することができます。
問題はもちろん思惑と反対方向に為替が動いたときです。15倍のレバレッジをかけているということは、1$が¥109→¥110に1円動いただけで上記のケースですと、¥30,000のマイナスになるのです。因みにレバレッジをかけない場合は次のようになります。
・レバレッジ15倍
¥200,000の元手で¥30,000のマイナス
・レバレッジなし(1倍)
¥200,000の元手で¥2,000のマイナス
FX黎明期
10年ほど前、私がFXをやっていた当時はネットでのFX黎明期だったということもあり、企業ではない一般個人が200倍のレバレッジをかけることもできていました。私はそこまでのレバレッジはかけませんでしたが、それでも50倍程度にはかけていました。思惑通りに進めば万々歳でしょうが、これが逆を行くと目も当てられません。
レバレッジをかけていた金額がゼロになるだけでなく、時には追加証拠金、いわゆる追証が発生することがあるためです。
資産運用でもリスクに注意を払う必要がありますが、レバレッジをかけた取引では特に慎重に事に当たることが重要です。